「意味がある最適解」をつくるのは、いつだって人間の感性であり、
そして最後に残るのは、「目」や「五感」で感じ取ってきたものなのだと思う。
2025年9月から、The Breakthrough Company GO主催の #TheCreativeAcademy に約半年間参加した。
クリエイター、経営者、ブランドプロデューサーなど、多様な講師陣から出される個人課題やチーム課題に向き合い、考えて、動いて、議論して、形にしてから発表する。それを半年間繰り返した。

これまでの自分は、WebマーケティングやSEOの領域で、数字やデータ、ファクトをもとに「プラットフォームに対しての最適解」を出すことに慣れてきた。
そして、それこそがマーケターの介在価値だと信じていた。




SEOコンサルタントの役割に関しては以下記事で詳しく書いています。
【上流SEOコンサルタントの仕事とは】必要なスキルとリアルな年収



ただ、AI時代に入り、最適解を出すこと自体の価値は、もの凄いスピードで薄れてきていると思う。そんな中で、「クリエイティブ」という言葉を耳にする機会が増えた。
「クリエイティブって何?」
「それってただのアイディアと何が違うの?」
「クリエイティブで売上につながるの?」
「広告代理店って結局何をしているの?」
「クリエイターって何か気取ってるけど、どうなのよ?」
正直、そのくらいの感覚だった。
だからこそ、性格的に食わなきゃわからないと思い、身体に入れて体験すべく、直ぐに申し込んだ。
毎回講義が行なわれる六本木のGOのオフィスで、できる限り生で受講すること。どんな状況であれ、課題は必ず提出すること。これを自分との約束にした。
結論から言うと、見事に鼻をへし折られた。
そして、クリエイターという仕事への見方が大きく変わった。今は純粋に、深い尊敬を抱いている。
① アイディアは意味の再定義(イノベーション)、企画はそれを包み込むもの



今回の学びの中で、特に腹落ちしたのはこの考え方だった。
アイディアとは、
Fact(企業/ブランドの武器になる事実)
Moment(着目すべき社会の変化)
Insight(顧客の心情)
を捉え、商品やサービスを再定義(解釈)すること。
企画とは、
Feasibility(実現可能性)を丁寧に設計して、 その再定義を包み込み、社会に分かり易く伝わる形にすること。(1枚絵や1つのコピーを作ること)
ただ新しいものを思いつくことが、アイディアなのではない。
今あるものを別の角度から解釈し、「これはこういう価値として世の中に届けられるのではないか」と意味を定義し直すこと。そこにこそクリエイティブの力であり、いわゆる「クリエイティブでジャンプすること。」それが、新たな市場を生み出し経済性に結びつけられると尚良い。
人が「やってみたい」「気になる」と感じる視点と、サービスやブランドが本来持っている価値。その交わるポイントを見つけることが、企画の本質なのだと学んだ。
講義では毎回、講師から多種多様な課題が与えられた。
例えば、#FR2の石川涼さんが出した課題は「これからの時代、食以外で大切になるものは何か?」だったり、ヘラルボニーの松田さんの課題ではブランドアクションを考える課題が出たりした。
そして、毎回評価される人には共通点があった。既存のものに新しい解釈を与え、ブランドや商品の輪郭を再定義していることだ。そこに至るまでに様々な視点でクライアント、トレンド、界隈、エンドユーザーのことを考えて企画を出す。1個や2個じゃない。
「もうその企画出しきったよね。」というとこから、さらに数十個出して、精査していく。
▼ヘラルボニー松田さんの回で出した時の企画









だからこそ、これから必要なのは単なる発想力ではなく、「徹底的に解釈する力」なのだと思う。
前提を疑い、当たり前と比較し、見慣れたものを別の意味で創作する。
発想するときは「動詞」で考え、世の中に出すときは「名詞」でわかりやすくする。そんな考え方が、ますます重要になると感じた。
過去、僕がSEOで携わってきた案件を思い返し、クリエイティブ起点にSEOが成功した例で言うと、日本に本場インドから直輸入した茶葉とスパイスで芳醇な香りが特徴のチャイブランド「モクシャチャイ」。



ヨガやピラティス終わりに体を冷やさないため、妊活でカフェインレスの紅茶を探している方、意識高い系の女子たちに、検索数は少ないがカフェイン系のKW、チャイ効能などの悩み系KWを対策して、認知を広めたブランドです。









以下3点を意識したことで、認知層から顕在層まで獲得できた事例です。
Fact(企業/ブランドの武器になる事実):インドと日本のルーツを持つオーナー
Moment(着目すべき社会の変化):ヨガ・ピラティスなどを通して体を心身ともにリラックスをすることが女性中心に流行っている。意識高く自らの心身を管理することがビジネマンの間でも浸透している。
Insight(顧客の心情):体を冷やしたくない。体に良いものを摂取したい。
② 今、問われているのは「正解を当てる力」ではない
今の時代に問われているのは、たぶん「正解を素早く当てる力」ではない。80%くらいの正解はAIエージェントに任せればいい。
そしてむしろ、本質に近いのは次のようなことだと学び、腹に落ちた。
正解のない分野で、正解らしいものをつくれるか。
ルールのないゲームで、どう最高得点を取りにいくか。
そもそも、ルールをつくる側に回れるか。
だからこそ、クリエイティブは一部のクリエイターだけの特殊能力ではなく、あらゆる仕事の考え方になっていくのだと思う。
すべての講義を通して、自分なりに整理すると、今後重要なのは次のようなこと。
一歩引いて、外側の枠組みを観察する。
本当にそうか?と疑うこと。
身銭を切って体験する。
あらゆる分野のコミュニティを持つ。
③ 机上の論理より、走りながら見つける「機転」
うまくいった仕事は、綿密な計画だけで生まれたわけではない。
むしろ、走りながら形を探っていく中で、「こっちかもしれない」と見つけた機転から生まれていたことが多い。
インテリぶって、もっともらしい顔で議論する前に、まず出す。仮説をぶつけて、砕けて、また直す。 そのスピードを競うことの方が、これから重要になる。
能書き垂れる前に、まずやれ。
④ 手を動かす時代から、「目と感性を鍛える」時代へ
これまでは「手を動かすこと」が重要だと言われてきたし、実際そこがSEOコンサルタントやWebマーケターの介在価値に変化してきている矢先に、AIの進化によって、手を動かすことの一部はすでに代替可能になってきている。
だからこれからは、手を動かす力そのものよりも、何を良いと判断できるかという目の力が重要になるのだと思う。
これからの時代に大切なのは、ゼロイチを自分で経験したことがあるか、圧倒的に良いものを見たことがあるか、その差を身体で理解しているか、ということだと思う。
つまり必要なのは、知識だけではなく身体知だ。
さまざまな場やコミュニティに自ら飛び込み、寝食を忘れるくらい没頭してみること。
「それ面白いね、やってみよう」と自然に反応できる感覚を磨くこと。
こうした身体知のようなものが、人間の介在価値であり、マーケターにとって最も重要な要素になる。もう、個はここで尖っていくしかない。
そうでなければ、AIを使い倒す時代に、持たざる者は資本を持つ者の圧倒的な力と速度の差で押し切られてしまうから。
⑤ 執着と得意が重なる場所に向かう
執着と得意が重なる場所に向かうことが重要。
ここでいう執着とは、無理に頑張らなくても、気づけば考えてしまうこと。苦なく、むしろ夢中で追いかけてしまう対象のことだと思う。
一方の得意は、世の中から求められ、誰かの役に立つことだ。
この2つが重なる場所を見つけられれば、かなり強い。
結果を急がず、気が遠くなるような時間を、そこに投下し続けられるからだ。本物を浴び続けること。
良し悪しを考えながら摂取し続けても苦しくない領域を持つこと。
そうした領域が明確な人は、やはり強いし、何より楽しい。
それで言うと、僕はSEOだ。アルゴリズム、クライアントの事業、そしてその先を解釈し、クライアントの成功に喜びを感じているから、かれこれ10数年続けてこれたのだと思う。
本記事の学びを一言でまとめるなら、
AI時代に最後に残るのは、知識量そのものに価値は薄れてきていて、何を見てきたか、何を良いと感じるか、失敗と成功、両方の体験があるか。苦なく執着し続けられるか。
が大事だということ。



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